東京のすし屋の娘でもある、江戸前寿司伝道師Satomiです。
皆さんは、「握り寿司」には独特の食べ方があり、それに従わないといけないと思っていますか。一般的に言われていることを鵜呑みにするのは注意が必要かもしれません。
昔から言い伝えられている「すし」の食べ方は全部で8つありますが、今回はそのうちの一つ「すしネタは下にして食べる?!」について紹介したいと思います。
すしの起源
すしの起源は、主に魚を塩と米飯で発酵させて酸味を出した「なれずし」というものです。「なれ」とは、「発酵」という意味です。ペースト状になった米は捨てて食べていました。
室町時代になると米の生産が増え、一般庶民も少しはご飯を食べられるようになりました。そこで、「米も捨てずに食べよう!」と発酵期間を短くし、米も一緒に食べる「なまなれ」や「ほんなれ」と呼ばれるものになります。
江戸時代になり、「すっぱしですし」だから、待たずに食べられる「酢」を使った「すし」、「早ずし」が生まれました。これが現在の酢飯の誕生です。
握り寿司の始まり
握り寿司は、元々東京の郷土料理でした。
江戸時代は、ご飯を詰め、魚をのせ、箱で押した「押し寿司」が主流でした。手間がかかるので、手で握ったらどうかと作った「握り寿司」が江戸っ子の気質になったのか、大人気になっていたと言われています。この頃の握り寿司は、気軽に食べられるファーストフードでした。
江戸時代の醤油の使い方
当時は醤油の入った丼が置かれていて、共同で醤油を使い、二度付禁止だったと言われています。
うっかり醤油の丼にネタやご飯を落とすと田舎者扱いをされ、笑い物になったとも言われています。
「すしネタは下にして食べる?!」
昔から言い伝えられている食べ方では、片方の奥歯の具合の悪い人は別として、「すしネタを上にして口に入れるか、下に入れるかは自由だが、横にして入れるのは理にかなわない。」と言われています。
Youtube
参考:『江戸前寿司に生きる』(間根山貞雄)
『すしの絵本』(ひびのてるとし)『江戸グルメ誕生』(山田順子)
まとめ
「すし」独特の食べ方というよりも、日本での食事をする上でのマナーや周りに迷惑をかけないこと、自分の態度を見直すことが一番大切かもしれませんね。
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